「クラウド会計ソフトを使ってみたけど効率化できなかったよ」という方

こんにちは。税理士の平河です。

今回はクラウド会計ソフトについて書いてきます。

クラウド会計ソフトの大手2社ののホームページにはこんな風に書いてありました。

会計ソフトfreee「クラウド会計ソフトfreeeで経理の効率が50倍に」

MFクラウド会計「面倒な作業はすべて自動化!」

・・・が、しかし!!

「全然楽にならんやん!」
「領収書(現金取引)は自動化できんやん!」
「効率化どころか逆に混乱したわい!」

という声も多いと思います。freee難民とか会計ソフト難民とかいう言葉もあるくらいですし。

実は私もfreee難民でした。

その後、クラウド会計ソフトの進化と、自分自身の理解が深まったことで、今では事務所の経理はクラウド会計ソフト以外使う気がしません。ちなみに昨年はMFクラウド、今年はfreeeを使っています。

なぜ楽にならなかったのか?

初期設定の段階で手を抜かない

クラウド会計ソフトの自動化の仕組みはこのようになっています。

取引データと会計データの違い
取引データは「x月x日 〇〇さんからxx円入金(出金)がありました」というデータ。
会計データはそれに勘定科目が割り当てられたものです。

ex)「x月x日 普通預金xx円/売上xx円 摘要:〇〇」

取引データを会計データに変換しないと決算書や申告書は作成できません。

この取引データの取り込みと会計データへの変換をクラウド会計ソフトは自動化してくれるのですが、取引内容と勘定科目の対応の設定は、基本的にユーザー自身が行います。

なので、設定を間違ってしまうと・・・

自動的に間違ったデータがひたすら作成され続けます・・・

 

自信のない方は顧問税理士にサポートを依頼するといいでしょう。(ぜひ私に)

 むしろ導入だけ税理士に依頼すると確実です。(ぜひ私に)

ある程度確定申告に慣れている人だと、この初期設定だけきちんとしていれば、あとは税理士に依頼しなくても自分で確定申告ができるようになる人もいるでしょう。
そういった方は導入だけ税理士に依頼して、顧問料や決算料を節約するというのも一つの方法です。

自動化できるものとひと手間かかるものがある

「なぜクラウド会計ソフトを使っても確定申告が楽にならないのか」という理由の2つ目が、「自動化できるものとひと手間かかるものがある」ということです。

自動化できるもの
  • インターネットバンキング
  • クレジットカード
  • suicaなどの交通系ICカード(nimocaはfreee×、MF〇)
  • 楽天やAmazonでの購入履歴
  • Airレジなどのクラウドサービス など
ひと手間かかるもの
  • 現金取引
  • インターネットバンキング非対応の口座
  • Excelの売上データ
  • Excelの仕入データ など

この「自動化できるもの」の割合が低ければあまり楽になったと感じないでしょう。

この「ひと手間かかるもの」をクラウド会計ソフトに直接入力するのはけっこう大変です。

クラウド会計ソフトは「自動化」するために作られています。取引を一つ一つ入力していくために設計されていません。
データを取り込むことは得意ですが、人が直接入力していくには不向きです。

「取込(インポート)するための形式へ変換」というひと手間を加える

このひと手間を加えることで、取引を取り込んだ後の作業を自動的におこなってくれます。

(現金出納帳についてはExcelに手入力していくことになるので手間はかかりますが、クラウド会計ソフトへ直接入力するよりは速いです。)

レシートをスキャンしてくれるサービスは?

精度の問題で個人的には残念ながらまだオススメできません。

クラウドによる効率化はクラウド会計ソフトが全てではない

クラウド会計ソフトは月額利用料がかかりますし、事業用とプライベート用が混じっていたり、現金取引がメインだったり、クレジットカードやインターネットバンキングを使わない派の方々にとっては、必ずしも大きな効率化が見込めるわけではありません。
我々のように既存のインストール型会計ソフトに慣れている人だと、手入力したほうが速いケースもあります。

しかし、(会計業界においても)クラウドによる効率化はクラウド会計ソフトが全てではありません。

ひとりで経理を行っていれば話は別ですが、担当者に割り振っている場合や、税理士事務所に記帳代行や給与計算を依頼している方は、ファイル保管型のクラウド※1、連絡手段としてのクラウド※2を利用することで、かなり効率化が図れます。

※1:Dropbox、Googleクラウド、OneDriveなど
※2:Chatwork、LINE、FacebookMessengerなど

「自分で確定申告」を応援しています

自分で確定申告できる人が増えてしまうと税理士としての仕事は減ってしまいますが・・・ 自分でできる人は自分でした方がコスト削減ができます。

ただし、調べる時間や作業の時間が長くなると、「頼んだほうが安かった」となるケースもあります。(経営者は自分の時間単価も考えながら働くことは大事です)

当事務所では、「自分で確定申告」を応援しています。

確定申告を丸投げする場合、最低でも6万円~10万円くらいかかります。当事務所の相談料が5,500円ですので、10時間から18時間分くらいに相当します。

「それくらいの時間サポートしてもらえれば自分でできそう」という方は、ぜひ当事務所へご相談ください。