決算書の見方について。UUUMを例に。

今回も決算書の見方について書いていきます。

上場して色々と話題なUUUM社を例に、取引の形態によって決算書の見方が変わるという点について見ていきます。

UUUMとは

UUUM株式会社(ウーム、英: UUUM Co., Ltd.)は、日本のマルチチャンネルネットワーク。
主にYouTubeで活動するYouTuberへ技術提供やマネジメント、ショッピングサイトなどの運営などを行う。収益源は主に、企業から受注した案件と、所属するYouTuberによる動画広告収入の一部である

wikipediaより引用

Youtuberのマネジメント会社というイメージですね。

事務所に所属していないYoutuberの場合

一旦、事務所に所属していない(=マネジメント会社がついていない)Youtuberの取引の流れについて確認しておきます。

広告主がYouTubeに広告を出し、YouTuberの作った動画が再生されるとその広告が表示されます。
広告主はYouTubeに広告料を支払い、YouTubeはYouTuberにアドセンスと呼ばれる手数料を支払います。このアドセンスがYouTuberの収入源です。

僕が勝手にイメージしていた取引の形態

「UUUMはYouTuberのマネジメント会社」なので、こんな感じの取引形態を勝手にイメージしていました。

「アドセンス収益はYouTuber本人が受け取り、YouTuberがUUUMにマネジメント料を支払う」というイメージでした。

例えば、YouTuberが動画を投稿して10万円のアドセンス収益が発生したとします。その10万円をYouTuber本人が受け取り、マネジメント料としてUUUMに1万円を支払う。という感じ。

「YouTube→YouTuber→UUUM」というお金の流れですね。

実際の取引形態

上場申請のための有価証券報告書を見てみると、実際の取引形態はこんな感じでした。

「YouTubeからのアドセンス収益は一括してUUUMが受け取り、そこから各YouTuberへアドセンス収入の還元を行う」という取引形態でした。

例えば、YouTuberが動画を投稿して10万円のアドセンス収益が発生したとします。その10万円を一旦UUUMが受け取り、手数料1万円を差し引いた残りの9万円をYouTuberに支払う。という感じです。

(手数料が何%なのか・・・は分かりません。たぶんYouTuberごとに違うんでしょう)

「YouTube→UUUM→YouTuber」というお金の流れですね。

 取引の形態で決算書の見方が変わる

例えば「UUUMの平成29年5月期の売上は前期から10億円増加」というニュースが流れたとします。

「YouTube→YouTuber→UUUM」というお金の流れの場合

売上10億円増加とは、YouTuberからもらうお金が10億円増えて、その10億円はそのままUUUMのものです。

「YouTube→UUUM→YouTuber」というお金の流れの場合

売上10億円増加とは、YouTubeからUUUMが受け取るお金が10億円増加しましたが、UUUMはそこから各YouTuberへの支払があります。
手数料が10%だとしたらUUUMのところに実際に残るお金は1億円です。

このように、同じ「売上〇〇億円増加」でも、取引形態によって実際にどれくらい儲かっているのか変わります

(ちなみに「利益が〇〇億円増加」の場合は、どちらの取引形態でも捉え方は同じです)

UUUMの業績

UUUMの業績ですが、設立3期目まで終わって黒字になったみたいですね。

千円単位なので、直近の売上高は32億円。経常利益は2億円。
売上は前期から約20億円増えて、利益も前期2億円の赤字から2億円の黒字に転換しているので、4億円増えています。

UUUMの時価総額や他社ですがVALUやappbank事件など何かと話題なYouTube業界ですが、ここ数年の市場規模の広がりはすごいですね💦